HDR Ratio

本コントロール機能は、オーディオコンプレッサのレシオコントロールと同様の働きをする。HDRウィンドウがピークをどれだけ忠実に追うかを決める設定値である。

設定値が非常に大きい場合はHDRウィンドウがピークを忠実に追うので、ピーク時に閾値を20 dBと40dB超える2つのサウンドは、同時に再生しない限り、アウトプットが同じ0 dBFSとなる。両者の違いは、前者で-20 dBの減衰が起きて閾値未満のサウンドとなるのに対して、後者では-40 dBの減衰が起きる。より低いレシオ、例えば4では、+20 dBでピークするサウンドは+5 dBでアウトプットされ、+40 dBでピークするサウンドは+10 dBとしてアウトプットされる。その結果、ほかの閾値未満のサウンドに適用される減衰は、それぞれが-15 dBと-30 dBとなる。

レシオを低く設定した方が、HDRシステムによって排除されてしまう閾値以上のサウンドの全体的なダイナミックレンジを取り戻せるので、便利である。ただし、欠点として、閾値より上でピークするサウンドもあるので、HDRバスのあとに十分なヘッドルームを確保してクリッピングを避ける必要がある。

詳細は HDRレシオの使い方 を参照。

Default value: 100
Range: 1 to 100